ドラクエよろず考察所

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割と真面目にグレイグがどのように兵士の指揮を取ったのか考察してみたその2

前回の考察から2か月以上間が開いてしまってすいません。小説書いたり仕事をしていたり多肉植物を枯らしたり新しいものを買ったりしていました。では、今回は前回の続きで、将軍位についていたグレイグが真っ先に敵軍につっこんでいく理由やメリットを重点的に解説します。

 

kakitubata88.hatenablog.com

 ちなみに、前回の記事はこれ。前回の記事なんだったっけという方は、まずは復習からどうぞ。なお、前回の記事なんて読めるか!!という人はこのまま読み進めてください。別に読まなくても意味は通じます。

※ なお、この考察は管理人の完全な主観によるもので、引用した資料によっては「これ、違うんじゃない?」と思う方もいるでしょうし、「こんなの認めない」という人もいるでしょう。そんなときは石にでも躓いたと思ってそっとブラウザを閉じてください。

※これは推測、考察ではないという意見の方もそっとじしてください。文句言うだけ時間の無駄ですよ。

 

そもそも、将軍とはどんな地位?

 将軍というと、軍隊の総大将というイメージが強いのですが、近代の軍隊における「将軍」とは、Wikipediaによると「軍隊を指揮する将官以上の階級」を指すそうです。もう少し詳しく言うと、准将・少将・中将・大将・元帥まで全部ひっくるめた総称が将軍です。アメリカ陸軍の呼称は「General 」海軍の場合は「 Admiral 」です。海軍の場合は「提督」と訳さることが多いのですが、地位的には同等です。つまり、一口に将軍といっても5階級あったわけです。

※ということは、グレイグとホメロスは同じ将軍であっても同地位とは限らない

では、将軍と呼ばれる人達の中でも「総大将」は何と呼ぶかというと、近代の軍隊の場合は、「元帥」です。銀河英雄伝説では、ヤン・ウェンリーがこの地位についています。なお、この「元帥」が軍隊ごとにいる例も珍しくありません。また、元帥を統括する地位として「大元帥」がいました。この大元帥は国家君主の名誉的称号で、日本では明治・大将・昭和の天皇がこの地位についています。ただし、日本で元帥の将軍を得た人物は「西郷隆盛」(陸軍元帥)ただ1人で、ほかは元帥陸軍大将、元帥海軍大将という名称です。

※ややこしいですね、ややこしいですからここは読み飛ばしてもいいですよ

そして、将軍の仕事は軍隊の指揮です。軍隊というのは数十名~数万名の人間の集団ですから、誰かが指揮しないと大人数であるほど現場は混乱します。司令官は基本的に戦いには加わらず軍隊全体の動きを見ながら、兵をどこに動かすか命令を下します。しかし、それはあくまでも近代国家の戦闘の場合。戦闘機・大砲・銃などが主力武器の近代戦では、司令官は軍略に通じていれば、射撃が下手でも体力無くても、ひ弱でも務まります。ヤン・ウェンリーなんかはまさにそのタイプですね。(絶対にひ弱でもなれる、とは限らない)しかし、剣・槍・弓などが主力武器となる前近代的戦闘においては、司令官といえどもひ弱では務まりません。自分自身が戦闘のエキスパートである必要があります。では、次に前近代的戦闘における将軍の役割について解説していきます。

アルスラーン戦記で説明する前近代的将軍の役割

アルスラーン戦記は、今さら説明するまでもないほど有名な田中芳樹の小説です。

アルスラーン戦記の中には「万騎長(マルズバーン)」という地位があります。その名の通り、「1万人の兵士を指揮することができる司令官」という意味で、「将軍職」といっても差し支えないでしょう。ちなみに、アルスラーンが治めるパルスの軍隊は、「大将軍(1名)」→「万騎長(12名)」→「千騎長(1名の万騎長の下に10名いると考えて、120名)」→「百騎長(1名の千騎長の下に10名いるとして1200名)」という指揮系統だったと推測されます。

そして、主要登場人物の1人、万騎長の地位についていた「ダリューン」は1万人を指揮する司令官でありながら、最前線で戦っているのです。

※その間、部下の指揮はどうしているという突っ込みはしてはいけない

ダリューンは、「黒衣の騎士」と呼ばれ武芸の達人、怪力無双、立ちはだかる敵をバッタバッタとなぎ倒し、敵軍には恐怖の象徴として恐れと憎しみを向けられ、味方からは頼もしすぎる軍神的な存在として崇拝の対象でもあります。

※ なお、グレイグとは異なり、堂々と娼館には行く

つまり、あくまでフィクションの例ですが、銃が登場しない前近代戦では、総大将以外の大将には武芸に秀でたものが就任し、一騎当千の働きをすることで、味方の戦意高揚および戦況を有利に進める役割を担っていたということが分かります。現場からたたき上げの司令官なんて、このよい例ですね。

なお、近代以降の戦闘では司令官が全部前線から退いているわけではなく、「幼女戦記」のターニャ・デグレチャフ少尉(後に中佐)のように最前線にたつ指揮官もいます・ただし、ターニャ・デグレチャフは佐官(将官の下)であり、大将ではなない。

 

グレイグが最前線にたつ理由とメリット

では、ここでグレイグが将軍でありながら最前線に立って敵陣につっこんでいく理由とメリットを紹介していきます。

 

戦意高揚と役割分担

前述したように、めっちゃ強い人が自分の前に立って戦ってくれたら、人間は安心します。そして、精神の安定すれば肉体は本来の強さを発揮できます。つまり、訓練どおりに武器を扱って戦果を上げられるということです。俗に言う「一頭の狼に率いられた百頭の羊の群れ」状態です。倒すのが困難な強い敵はグレイグが、そのほかの敵は一般兵士が倒す役割がある程度決まっていれば、兵士は無理に強い敵に立ち向かう必要もありません。その精神的余裕は相当な物だと思います。

また、グレイグが強い魔物をバッタバッタとなぎ倒していけば、兵の戦意は高揚します。「俺たちは強いぜー」という集団が武器を持って突進すれば、実力以上の成果が出る、かもしれません。

前線の状況把握

行軍する前、司令官達は入念に作戦を練ります。しかし、物事は予想どおりにいきません。前線が今、どんな状況になっているのか正確に把握できる将官が1人は必要になります。そして、その将官が現状を伝令を使って司令本部に伝えます。それを元に、別の司令官が作戦を練り直したり、修正をしたりします。これは、佐官でもできることなんですが、佐官の場合は把握できる部隊に限りがある(階級上他の部隊の指揮は難しい)ので、軍全体を把握できる大将1名と補佐官が2名くらい最前線にいると非常に助かるわけです。

おとり

言い方は悪いんですが、最前線でド派手に暴れている将官がいると、敵はそこに引きつけられます。というより、そのド派手に暴れている将官を倒さない限り本陣には突撃できないわけです。グレイグが軍を惹きつけているうちに、ほかの司令官が作戦を修正したり練り直したりして、必勝の策を考えます。そして、伝令を通してその作戦がグレイグに伝わり、彼もその通りに動く。そうすれば、見事な連携プレイができますね。

 

後方支援だって楽ではない

さて、ここまで最前線で暴れるグレイグの役割やメリットを紹介しましたが、もちろん、彼1人がいくら強くてもできることには限りがあります。グレイグの体力も無限ではありません。

グレイグが暴れまくって敵を倒している間、彼の周辺では複数の補佐官が戦況を把握し、随時本部に戦況の状態を知らせていると考えます。戦況を知らされた司令官たちは、軍をどのように動かすか、前進か撤退か考えなくてはなりません。

※放っておけばグレイグはひたすら目の前の敵を倒し続けるバーサーカー状態なので

デルカダール軍においては、事前に作戦を立て、実際の戦闘中は戦況を読みながら、作戦の変更や修正をしていく役目を担っていたのが多分ホメロスでしょう。最前線で暴れ回るタイプの将官の場合、後方で手綱を掴む存在がないと戦況全体を掴むことができず、裏をかかれて全滅することもありえます。

ですから、ホメロスはグレイグの暴れっぷりと敵の動きを観察しつつ、グレイグをどうやって動かしていいか考え、途切れ途切れにもたらされる報告から前線の状態を把握し、全体の指示を出す必要があるのです。

というか、そもそも作戦を考える段階でグレイグが全力で暴れられるような立地で戦いができるように作戦を練らなければなりません。

ぶっちゃけホメロスの方が大変じゃね……?

これでグレイグが命令無視で暴れ回った日には、そりゃあ、嫌みの一つもいいたくなりますわ。グレイグが心置きなく敵陣に突撃できたのは、後方支援がしっかりしていたからと考えると、よけいにね……

 

空高く舞い上がる鷲とそれを見守る鷲

結論から言うと、グレイグ1人では指揮官と最前線で活路を開く最強戦士の役割を兼ねることはできないと考えられます。(できないことはないが非常に難しい)

グレイグが心置きなく暴れるためには、残りの兵全体に目を配って時には突出しすぎる彼の手綱を取るもう1人の司令官が必要だった。その訳を担っていたのがホメロスだったと思うんですよ。だから、グレイグが天高く舞い上がって獲物に向かって急降下する鷲ならば、ホメロスは急降下する鷲が無事に獲物を捕えられるように見守る鷲、なわけです。どっちが欠けても魔物には勝てない。

そしてこの2頭の鷲を正当に評価しながら軍全体を統括するのが王の役目の分けですが、ウルノーガはわざとその評価をいびつにしたわけです。

この2人の仲を見事に引き裂き、闇落ちさせたウルノーガって本当に策士ですよね。

 

ということで、割と真面目にグレイグがどのように兵士の指揮を取ったのか考察してみたを終わります。次回の考察は「国が滅びるとはどういうことか、割と真面目に考察してみた」というテーマで、国家の枠組みを考察してみようと思います。

 

では、また