ドラクエよろず考察所

ドラクエに関するありとあらゆることを主観に基づいて考察しています。

騎士はつらいよ ~第二回 騎士になるのも楽じゃない~

 

前回の記事から大分間が空いてしまいました。ジュードロウに肩を抱かれたので、無事に天国に行けた管理人です。今回は「騎士はつらいよ」シリーズの二回目、騎士になる方法を解説していきましょう。
なお、第一回と同様にこの考察は管理人の主観と独学によるものであり、間違っていることもあるかもしれません。そのことをご了承の上、一時のお暇潰しとしてお読みいただければ幸いです。

騎士の修行は幼少期より始まる

第一回で説明したように、騎士は戦闘のプロフェッショナルです。また、騎士道を沿って誇り高く、礼儀正しく、かつ優雅に振る舞わねばなりません。

暑いからと言って真夏にステテコパンツ一丁で過ごすなど言語道断

そのため、騎士の家に生まれた子はだいたい7歳くらいになると、よその騎士の家に修行に出されます。そこで、以下のような武芸訓練を受けます

  • 剣・槍などの扱い方
  • 格闘技
  • 長距離走行、及び歩行
  • 木登りと水泳
  • 馬術

鎧を着て馬に乗って戦場を駆け巡るのですから、基礎体力は高いほどいい。したがってみっちりしごかれます。

そして、10~12歳になると大貴族の館や王宮へ出仕します。

ここで、礼儀作法と宮廷作法を教え込まれます。具体的には、誰か1人の騎士の従卒となり、身の回りの世話をするのです。食事の際は給仕をし、鎧や剣の手入れも大事なお役目。使いっ走りなんかもしていました。
幼少時のホメロスはそつなくこなしそうだけど、グレイグはきっと失敗ばっかりだったたことでしょう。

また、ドラクエには一切登場しませんが、将軍となったグレとホメにはそれぞれ10~12歳くらいの小さな騎士見習いがついていた、かもしれません。
子供嫌いのホメロスに仕えるの大変だっただろうな~~

騎士見習いになると戦場に出る

さて、騎士の身の回りの世話をしながら月日を過ごし、13,4歳くらいになると従卒(騎士見習い)となって戦場に出ます。
国によって多少差はありますが、騎士は基本的に1人では戦いにでません。特に、鎧を纏っている場合、こんな状態になったら、起き上がれません。

f:id:kakitubata88:20191127192240j:plain

なお、グレイグはターミネーターなので起き上がれます

15世紀のフランスを例にあげると、騎士は「重装甲騎兵」1名、「従騎兵」1名「騎乗弓兵」2名に、非戦闘員である従卒1名、小姓1名を加えた6名1組の「槍組」という単位で出撃します。重装甲騎兵というのは、全身を覆う鎧を身につけて馬に乗った騎士のこと、つまりリタリフォンに乗ったグレイグです。従騎兵、騎乗弓兵は重装甲騎兵より軽装備で、重装甲騎兵をサポートする役割の兵士です。
おそらく、グレイグが勇者を追っかけ回していたときにボウガンを備えた弓兵を従えていましたが、これが騎乗弓兵に当たる可能性があります。
従騎兵、騎乗弓兵は重装甲騎兵のサポートをし、従卒と小姓は重装甲騎兵の武器を交換したり、落馬したら引っ張り上げたり、伝令に走ったりします。ただし、戦いません。殺される可能性はありますが、あくまでも非戦闘員です。
騎士見習いがつくのは、従卒の立場です。
グレイグとホメロスはこの年代の時にソルティコとクレイモランへそれぞれ修行に出されていたので、その先で「従卒」として戦場の空気に慣れていった可能性はあります。
なお、余談ですが中世の軍隊というのはこの槍組1人1人りだけでなく、食事を作ったり物資を運んだりする輜重部隊(しちょうぶたい)ですら数に含めていたので、1~2万人と大規模になりがちですが、実際に戦闘をするのはその3分の1くらいです。

騎士になるにはお金がかかる

さて、従卒を数年務めるといよいよ本格的な騎士になります。中世ではだいたい17歳~20歳で1人前となるケースが一般的です。一人前の騎士になる際は、主君の前に跪いて、剣を肩にあててビシッと打ってもらう儀式を行います。これが叙任式です。

f:id:kakitubata88:20191127220140j:plain

みんなのトラウマ、握手スルー事件でグレイグが受けているのが、騎士叙任です。この時点でふたりは「騎士」となっている可能性が高いので、デルカダールでは騎士として立場が上がるたびにこのような儀式をしていた可能性もあります。
さて、この儀式。非常にお金がかかる上に自腹です。そのため、お金がないので騎士になれません。という人も一定数おり、そのような人は一生「従卒」として暮らしました。騎士の家に生まれても、次男、三男には金がないので従卒のままという家も多かったのです。

騎士になったら皆を養う義務がある

さて、晴れて騎士になることができたなら、主君(王様、大貴族)から領地をもらって一国一城の主になれます。その一方で、従卒(騎士見習い)・小姓、そしてその家族など全員を養う義務があります。
騎士見習いを1人自分につけるということは、その人の衣食住すべての面倒を見ることです。稼がなければやっていけません。
というわけで、騎士は戦の度に戦場に出てせっせこ稼ぎました。平時は、王族や大貴族に取り入って地位を上げてもらうのに必死です。
ですから、騎士で、デルカダールの将軍になったというグレイグとホメロスは騎士として最高の立身出世を果たしたと言っていいでしょう。
だから何でそれで闇落ちするんだよ、ホメロス

騎士の位は身分ロンダリングにも仕える

では、そもそも騎士になるための修行に出してもらえる子供、というのはどのような立場なのでしょうか?
第一に、騎士の子供です。特に、名のある騎士は自らの領地や身分を子に受け継がせるために子供を騎士にしました。
ドラクエの世界では、ソルティコの領主ジエーゴさんが息子のゴリアテ君を騎士にするためにしごいてましたね。
次に多いのは、貧乏貴族の次男、三男です。
家督と財産は長男が継ぐので、次男、三男は自分で財産と身分を手に入れろと騎士にさせられます。
残りは、見込みありそうな青少年のスカウトです。
戦乱の世では、兵士はいくらいてもかまいません。というわけで、体格がよくて兵士に向いてそうな子供を拾ってきて仕込みます。
おそらく、グレイグとホメロスもコレに近いのでしょう。グレイグは亡国の生き残り、ホメロスは没落貴族の孤児です。
このような子供はたとえ途中で死んでも後腐れないので、いっぱいあつめてしごいて生き残りだけ騎士にしたかもしれません。
また、平民の子でも騎士になれば末端貴族です。武勲次第では出世も可能です。ですから、騎士の位は身分ロンダリングの手段にもなりました。

さて、今回は切りがいいのでここまでです。次回は、騎士はつらいよ第三回、「騎士道って何?それは究極の見栄!!」です。
なお、次回は騎士特有の恋愛事情もお話しします。

ではでは