ドラクエよろず考察所

ドラクエに関するありとあらゆることを主観に基づいて考察しています。

割と真面目にグレイグがどのように兵士の指揮を取ったのか考察してみたその1

2年間育てたサボテンが植え替えに失敗して腐ってしまい、じゃっかん落ち込んでいる管理人です。前回はホメロスがゲーム中に率いていた海軍とはどのようなもので、どんな戦いをしたかを考察しました。今回は、グレイグが率いていた軍はどのようなものか、構成から戦い方まで考察してみようと思います。

※ なお、この考察は管理人の完全な主観によるもので、引用した資料によっては「これ、違うんじゃない?」と思う方もいるでしょうし、「こんなの認めない」という人もいるでしょう。そんなときは石にでも躓いたと思ってそっとブラウザを閉じてください。

※ すいません、1千万人の1%は10万人でした。大変失礼しました。ご指摘、ありがとうございます。

 銃がない世界での戦い方

用兵について説明する前に、「銃」が登場する以前の世界で、人はどのように戦ったかを少々説明します。
銃が登場する以前、戦場では、武器として弓・槍・棍棒・剣などを用いていました。中世的な文明をもった異世界ドラクエ含む)の主要武器というと、「剣」ですが、現実世界の主力武器は「槍」です。剣と槍を比べると、槍の方が圧倒的に間合いが広く、遠距離で戦うことができます。「遠距離からの攻撃ならば、弓を使えばいいのでは?」と思う方もいるでしょうが、弓は連射に限度があり、距離を縮められると太刀打ちできません。ですから、遠距離からの攻撃、もしくはゲリラ的な攻撃手段として弓矢を用い、敵と直接刃を交えるときは槍、槍の間合いにお互いが入り合った場合や、室内戦の場合は剣や棍棒を用いました。ですから主要武器、および戦い方は以下のようになります。

  • 弓矢:敵が10m以上離れている場合に用いる。弩および大型弩(バリスタ)は100m以上の射程距離があるが、連射が効かない。(ドラクエⅪの世界で、弩(ボーガン)のみ登場)
  • 槍:2m以上敵と間合いを取って戦える。遠心力を利用すればかなりの破壊力を生み出せる。
  • 剣・棍棒・斧:敵と取っ組み合うしかない、というほど近距離まで接近したときに役立つ武器。間合いは1m程度。見た目は大変カッコイイが、鎧を着ている相手と戦う場合は、切るというより殴ってつかう。つまり、バールのようなもの!!」

中世の軍隊というのは、この3つの武器を持った人間の集団です。

馬は戦車である

中世の戦闘で武器と同じくらい欠かせないものといえば、「馬」です。馬は最高時速80kmで走ることができるので、これに鎧を着た人が乗って武器を構えてつっこんできた場合、その破壊力と迫力は相当なものがありました。
革ジャンを着てバールのようなものを持ったグレイグが、バイクに乗って時速40kmで突進してきた。と想像してみましょう。怖いですね、恐ろしいですね。

こんなのと何度も戦ったあげく、仲間にしてあげた勇者って凄いね

つまり、馬は戦車のようなものと考えてください。武器を抱えて突進していけば、人はもちろんのこと、魔物だって弾き飛ばせます。

騎兵と歩兵の違いは金と技術

中世レベルの技術と文明の世界で軍隊を編成すると、騎兵と歩兵が生まれます。騎兵は馬に乗った兵、歩兵は徒歩の兵です。この2つの違いは経済力と技術力です。馬に乗りながら武器を振るう、というのは一朝一夕でできることではありません。長年の訓練が必要です。また、馬は高価で維持費もかかります。戦いで使う馬は基本自前で用意するので、貧乏な兵士は馬に乗れません。ですから、騎兵=経済的に豊かであり、戦闘能力に長けた者。歩兵=武器の扱いは達者だけど、経済的に余裕がないか身分が低い者や馬に乗って武器を振るう技術がない者、でした。「じゃあ、身分が高くて金持ちでも、身体能力が低くて馬に乗れない者は歩兵なのか?」というと、そんな人はそもそも戦場に出てこないので、やっぱり歩兵は貧しい家の出身、騎兵は身分が高く経済的に豊かな者という図式になります。
なお、弓兵は基本立ち止まって矢をつがえるので、身分や経済力に関係なく徒歩です。馬に乗って駆けながら矢を射かけるのとても難しい上、狙いが定めにくいので、騎馬弓兵が実際に戦場で活躍した例はそれほど多くありません。

デルカダールの軍隊の規模を考える

では次に、デルカダール国にはいったいどのくらいの兵士や騎士がいたのか、考察してみます。銀河英雄伝説でも言っていましたが、軍隊というのは巨大な消費組織です。何も生み出さず消費していくだけなので、大人数の軍隊を抱えるほど国家の負担は大きくなります。一節によると、国家が常時養える兵力は全人口の1%~1.5%が限度だそうです。つまり、デルカダール国の全人口が1千万人だと仮定して、最大で10万人の兵士が常時いた計算になります。日本の人口は、14世紀(もののけ姫の頃)で800万人~1千万人だそうなので、デルカダールの人口が1千万人だとしてもおかしくないでしょう。
また、普段は別の仕事についていて、戦うときだけ徴兵される人がいた場合、総人口の5%~最大10%くらいの人数を短期間「兵士」として養うことができます。そこから考察すると、デルカダールの軍隊は常時では10万人前後、非常時に徴兵制を利用した場合、50万~100万人までは兵士を増やせるということです。
しかし、1千万人人口がいても兵士として戦え、さらに兵士になりたいという人は限られているので、常時の軍隊は2~3万くらいだったかなと考え増す。
3万人の軍隊というと「凄い大軍」と思うかもしれませんが、関ヶ原の戦いでは東西軍それぞれ8万人の兵士がぶつかりあったので、格別に多いとはいえません。
100万人の軍勢となるとかなり大いのですが、これだけ人数を動かすには指揮官もそれなりに用意しなければならないので、数がいればいいというわけではないのです。

 

そして、デルカダール国は国家の事業として騎士を育成していました。この騎士というのは単なる兵士ではなく、指揮官として兵を統率できる者だと推測されます。(つまり、士官学校的な役割ということです。)城で育成される騎士の人数は不明ですが、グレイグとホメロスが常に一緒にいることができたということから考えると、数十人~100人までの規模だったのではないでしょうか?
騎士見習いが常時十数人~100人ほどいて、そのうち8割が兵士だけでなく、指揮官として働ける騎士となれたと仮定します(2割は脱落した)。デルカダールには最低でも常時100人~300人くらい(毎年30~50人くらいの新人上級騎士が生まれ、10年くらい戦場に立ち続けた仮定する)の指揮官がいて、そのトップに将軍がいたと推察できます。その指揮官達が、それぞれ部隊を率いていたとしたならば、一番小さい部隊で30名~60名くらい、大きな部隊で100名~200名くらいだったと思われます。中世の情報伝達手段の悪さを考えると、30名~60名ごとに隊長を1人置いた小隊をつくり、それを10個あつめて、大隊を作ってそこにまた指揮官を置き、大隊をまとめ上げて指揮したのが「将軍」としたほうがうまくいきそうです。つまり、将軍となったグレイグは最大で数万人規模の兵士を指揮していた、と仮定できます。

騎士の戦い方は基本的に集団戦

さて、騎士の戦い方ですが、基本的に集団戦です。まとまって敵に突進していって戦います。それはなぜか。この映像を見ればよく分かります。(1:17秒~のところ)


STEEL!2016第二回リーグマッチ3 20 2016#8 【JABL ジャパン・アーマードバトル・リーグ】

複数人数同士の戦いでは、1人になるとよってたかって集団でボコボコにされる!!
こうならないためには、大勢で固まって敵をなぎ倒していくのが一番なのです。

その極端な例がこれ。歩兵同士は剣と槍だけを武器に野っ原でぶつかった場合、攻める方は力づく、守る方も人数頼みで肉の壁を作ります。作戦も何もあったもんじゃない。


テルモピュライの戦いを再現『Ultimate Epic Battle Simulator』

 

こんな戦い方をしていると、兵士が何名いても足りないので、騎兵や弓兵を利用して陣刑を突き崩したり、守ったりするわけです。

で、騎兵の威力とはどんなもんかというと、こんな感じ。

これは、アメリ南北戦争を舞台にした映画のワンシーンです。


アメリカ騎兵部隊の突撃 南北戦争映画「騎兵隊」1959年

馬に乗った兵士が銃弾もなんのそので、敵陣につっこんでいきます。
もう1つ、騎兵の突進の威力がよく分かる映像がこれ。


勝元の最期①【ラストサムライ】

ご存じ、ラストサムライの1場面。銃であっても騎兵の歩みを容易に止めることはできない。

このシーンは馬VS銃なので馬が劣勢になっていきますが、迎え撃つのは弓だったり槍だったりする場合、馬の歩みを完全に止めのは容易ではないでしょう。このように、騎兵が駆け抜けて道を作った後、歩兵がついていって残りを片付ける。これが中世の戦い方の基本です。つまり、「数が多い方が勝つ!!」
(これを知ってると、少人数で大人数を討ち破ったホメロスの有能ぶりが分かるよね)

では、守る方はどうするかというと、密集隊形を作って槍とか弓で応戦するのです。この完成形の1つが「方陣」といい、

https://ameblo.jp/tank-2012/entry-12141916855.html

このリンク先にあるように、長槍を外に向けて構えて密集隊形を組む。これなら、馬でも簡単に蹴散らせない、弓矢で射かけられても容易に突き崩せません。この方陣の外側を銃兵や弓兵が守って敵を寄せ付けなければ完璧です。

 

グレイグの英雄的戦い方を考察する

さて、このような戦い方を踏まえてグレイグの戦い方を考察していきます。


【鑑賞用】ドラゴンクエスト11S⑭最後の砦【Switch】ストーリームービーボイスDragonQuestXI

グレイグが隊を指揮する場面が本編中に何回かありますが、その中でも最後の砦のシーンは、ある程度人数がある隊を率いる様子がよく分かります。31分~ですね。ある程度の距離までお互い前進したら、 弓兵が敵をひるませ、次に騎兵が突進して密集している敵をバラバラにして、最後に勇者をはじめとする歩兵が各個撃破する。
戦いのお手本のような素晴らしい展開です。さて、この戦い方を見るとグレイグがなぜ「英雄」と呼ばれているのかよく分かるのですが、文字数が4千字を超えたので、ここで一度区切ります。

次回は、「グレイグが指揮官でありながら、先陣切って敵につっこんでいく理由とメリット」を中心に、中世騎士の陸戦をさらに考察していきます。

 

続く!!